心疾患後の薬とお金

心疾患(心筋梗塞や心不全など)の時には多くの薬が処方されます。今まで薬を飲んだことのない人でも、5-6剤が突然増えるのでどれがどんな薬かわからないことも多いと思います。また薬を飲み続けなければいけないこともあり、長期になれば経済負担ともなるでしょう。この投稿では心筋梗塞、心不全の際に出されることが多い薬について書いていきます。

心筋梗塞後の薬については抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレル、エフィエント)、胃酸抑制薬(ランソプラゾール、タケキャブなど)が多いと思われます。

心筋梗塞後では抗血小板薬は最初は2剤でその後1剤、胃酸抑制薬はずっと飲み続ける必要があります。組み合わせとしてはアスピリン+クロピドグレル or アスピリン+エフィエントと胃酸抑制薬といった後にアスピリン単剤になることが多いと思います。それぞれの値段についても記載しておきます。

アスピリン100mg(5.7円)
クロピドグレル75g(10-60円)
エフィエント3.75g(275円)
ランソプラゾール15mg(19-52円)
タケキャブ10mg(125円)

以上のような値段となります(先発品と後発品(ジェネリック)いずれの値段を記載しておりますので、後発品の方が薬価は安いです。)

そのため組み合わせの値段としては

一番安いのは
アスピリン+クロピドグレル+ランソプラゾール
(35-118円/日)1050-3540円/月
一番高いのは
アスピリン+エフィエント+タケキャブ (406円/日)12180円/月

となります。月額の値段に保険負担量を掛け合わせたものが、実質負担量となります。血小板薬2剤併用は1-3か月でそのあとは血小板薬単剤投与となります。アスピリン単剤となることが多いですが、場合によってはクロピドグレル、エフィエント単剤の選択ともなります。(アスピリン、クロピドグレル、、エフィエント単剤投与の比較についてはいつか別投稿で述べれたらと思います。)

心不全については心機能の低下の有無により使用する薬剤が大きく異なります。心機能低下とは左室駆出率(医療用語ではEFと略して使います)40%以下かどうかが問題となります。心機能低下の際には心保護薬という心臓機能の増悪を予防する薬を追加する必要があり、非常に内服量が増えてしまいます。

具体的には心保護薬はfantastic4という4剤(β遮断薬、ACE阻害薬/ARB/ARNI、SGLT2阻害薬、MRA)が追加されることになります。心機能低下を伴わない場合には4剤のうち、どれを追加するかどうかについては症例によって異なります。その他、心不全の原因によっては様々な内服薬が追加される場合がありますが、今回はこの4剤に限定して記載します。

β遮断薬(カルベジロール、ビソプロロールなど)
カルベジロール 10-25円
ビソプロロール 10-20円
ACE阻害薬(カプトプリル、エナラプリル、リシノプリルなど)
カプトプリル 5円
エナラプリル 10円
リシノプリル 10円
ARB(ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、オルメサルタンなど)
ロサルタン 10-90円
バルサルタン 10-45円
カンデサルタン 10-25円
テルミサルタン 12-27円
オルメサルタン 30円
ANRI(エンレスト)
エンレスト65-200円
SGLT2(ダパグリフロジン、エンパグリフロジンなど)
ダパグリフロジン 185-274円
エンパグリフロジン 189-323円
MRA(スピロノラクトン、エプレレノンなど)
スピロノラクトン 5-37円
エプレレノン 40-140円

以上のようになります。錠剤の含有量によって値段が異なることに加えて、心保護薬は最大容量まで増量する必要があるため、複数個内服することになります。値段の中で特に高いのは新しい薬であるARNIやSGLT2阻害薬になります。

エンレスト最大容量(400mg)+SGLT2阻害薬(670-720円/日)20100-21600円/月

上記の値段に保険負担量をかけた額が実質負担量となります。心筋梗塞後の心不全の場合には両方の合算となります。このほか、心疾患となる方の多くが生活習慣病(糖尿病、脂質異常症、高血圧)を抱えていることも多く、これらにも治療薬が必要となり、さらに負担が増えることになります。

以上、今回は心疾患(心筋梗塞や心不全)での薬とお金についてまとめてみました。これらは飲み続ける必要がある薬なので、この負担がずっと続くと考えると結構負担額は多いように感じます。今後もこんな投稿を続けていきます。

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